【まんが家先生特集】「ご不要になった人間は回収いたします―――」 大ヒット都市伝説ホラーの生みの親・泉道亜紀先生㊙インタビュー!!

戦慄のホラー作品を次々と生み出す泉道先生。怖~いお話の裏話や先生のプライベートのお話などたくさん聞いちゃいました!  
“悪いことをしていると大変なことになる…!”と伝えたい!

――ホラーまんがを描くことになったきっかけは?

 デビューしてからしばらくは恋愛まんがを描いていたのですが、担当さんにホラーを描かないかと言われたのがきっかけです。その時は、「なんで私がホラー?」と思ったのですが、あとになって「泉道さんはホラーまんがに向いていんるじゃないかって編集部で話題になっていたから」と言われて。自分自身が怖がりなので、私にホラーが描けるのかの不安のほうが大きかったです…!

――人間回収車がどうやって生まれたのでしょうか。

 どういう物語にしようかなと悩んでいたときに、たまたま家の近くに廃品回収車が通ったのがきっかけで「人間を回収したらどうなるんだろう」ってぱっとひらめいた感じです。
真っ黒で気味の悪い車…。回収するのは「不要な人間」!? 「人間回収車」1巻より

――毎回主人公が変わるお話を、どのように考えていますか?

 お話の作り方は、先にキャラクターから考えて「こういう人がいたら嫌だな」というところから作っていくことが多いです。読んでいる子にはこうなってほしくない、悪いことばかりしていると、こういう目にあっちゃうよというメッセージも込めつつ。 ハッピーエンドの場合は、話の流れから考えることが多いかもしれません。

――キャラにモデルはいますか?

 日常生活から思いつくこともあるんですが、「人間回収車」の主人公たちは、ほぼ妄想です。実際、こんな性格悪い人なんていないだろうな(笑)って思いながら作っています。  
渾身の極悪キャラ…! 現実にいたらとってもイヤだ…!「人間回収車」1巻より

――運転手のキャラはどのように生まれましたか? またお気に入りのキャラはいますか?

   とくにモデルはいないのですが、実写化したときの役者さんのイメージとしては、黒髪さんは亀梨和也さんです!運転手はやっぱり黒髪さんが一番お気に入りです。自分の子どもみたいな感じで。 もともと黒髪さん以外のほかの運転手のことは考えてなかったのですが、回収車が何台もあったら面白いだろうなと思ってどんどん増えていきました。できれば今後も増やしていきたいと思っています。

――お気に入りの回はありますか?

 印象に残っている回は、第3話ですね。主人公がいじめを苦にして自分から回収してほしいと頼むお話なんですが、私自身もこの子には助かってほしいと思ってしまい、とても思い入れがあります。実際に悩みを抱えている子にも、「絶対近くに味方がいるよ」って気づいてほしいという思いもありました。 一番悩んだ回は4人目の運転手がでる回で、久々に新キャラを出すので、緊張してしまいました…!
自ら回収された主人公。その行先は…!? 「人間回収車」11巻より

――「人間回収車」の、今後の展開のイメージはありますか?

 運転手自身の話にも踏み込めたらなと思っています! 過去編というか、なぜ運転手になったのか、全員左目を隠している理由とかも。でも上司さんだけ両目を出しているのが、さりげない伏線といいますか。いずれ描けたらいいなと思っています。  
元は人間の運転手たち。どんな秘密が隠されているのかとーっても気になる! 「人間回収車」3巻より
新作はホラーが苦手でも読める“優しいホラー”

――現在は新作の「病棟少年」も描かれていますが、誕生秘話を教えてください。

 読者さんから「ホラーが怖くて読めない」という声もあり、ホラーでもハッピーエンドだったら安心して読んでもらえるんじゃないかなと思ってはじめたのが「病棟少年」でした。 打合せを重ねて、ツギハギくんが主人公に願いを叶える覚悟はあるのかと試すお話になりました。ツギハギくんは死神の姿をした天使といったイメージで、「優しいホラ―」になればいいなと思っています。  
ツギハギくんは「願い」の代償を求める… 「病棟少年」1巻より

――「病棟少年」でお気に入りのお話はありますか?

 1話目が気に入っています。いいハッピーエンドが描けたなっていう満足がありました。  
何を失っても叶えたい願いとは――。「病棟少年」1巻より

――ツギハギくんへのこだわりはありますか?

 ツギハギくんのキャラは、最初は女の子の予定だったんですが、担当さんに男の子にしましょうって言われて男の子になりました。こだわりとしては、キャラクターデザイン考えるときに、どういう感じにしたら印象深いかなという点を意識しています。今回は、謎を秘めた見た目をつくりたい、という感じで考えました。

――怖いまんがを描いている泉道先生ですが、ちなみに先生は何か恐怖体験をしたことがありますか?

 おじいちゃんが亡くなって、母の実家の秋田に行ったときのことなんですが…。昼寝をしていたら誰かが?何かが?ずっと寝ている周りを歩いていたことがありました…。怖くて目が開けられなかったので(笑)、結局何がいたかはわからないんですが。ほかにも、恐怖体験としてはお化けを何度か見たことがあります(笑)。霊感があるわけじゃないんですが、小学校の時に、これをするとお化けが見えるという噂があって。やってみたら本当に見えちゃって! 学校自体がもともと墓地があったところだったみたいで、ひえーーとなりました。幽霊は怖いですね…。でも世の中で一番怖いのは虫です(笑)。虫系は本当にダメです。幽霊より虫の方が怖いです。
カリスマ店員から、漫画家へ!?

――小学校の頃はどんな子供でしたか?

 小学校の頃は絵ばっかり描いていました。当時は、鳥山明先生が好きで「ドラゴンボール」や、「ドラゴンクエスト」のキャラを真似して描いていました。少女まんがは、私の世代では「セーラームーン」がすごく流行っていたので、そのキャラを描いたりもしていました。自分としては少女まんがより少年まんがに夢中になっていたかもしれません。

――それからずっと漫画を描き続けていたんですか?

 実は、高校生になると、まんがからは一切離れてしまいましたね。まんがを読んでいると恥ずかしいみたいな気持ちもあって、絵を描くことも全然しなかったです。ファッション誌を読むのが好きで、まんがに向けていた情熱はファッションにいきました(笑)。

――その後、まんが家になろうと思ったきっかけは?

 高校生の時に、好きな洋服のブランドがあって、そこで働きたい!と思い109で働きはじめました。カリスマ店員が流行っていた全盛期だったので(笑)。一応、私もギャルでした(笑)。アパレルでは、5年くらい働いていたんですが、ふと、このまま自分の人生終わっていいのかと考えたときに、小さいころまんが家になりたかった気持ちを思い出したんです。

――デビューまでの道のりを教えてください。

 2年~3年はひたすら投稿し続けていたと思います。20作くらいは描いていたと思います。1か月に1作描いてみようと思って頑張っていました。投稿期間がのびればのびるほど、デビューできないんじゃないかという不安もありましたが、なんとか頑張って投稿していた感じです。 デビューが決まった時はめちゃくちゃうれしかったです。今までの人生で一番うれしかったですね。  
超気になるデビュー作の「恋愛オンチ」は「人間回収車」11巻に収録!読んでみてね☆
 
デビューしたあとのまんが家生活とは!?

――どんなふうにまんがを描いているのか、作業の流れを教えてください!

 夜のほうが集中できるので、ひたすら動画やYouTubeを流しながら作業します。今までで一番流しているのは海外ドラマの「24-TWENTY FOUR-」ですね。すっごく好きなんで(笑)。観すぎて話は覚えているので、聞いてるだけって感じです。他にはゲームとかディズニーの音楽を流しながらやることが多いです。

――好きな作業、苦手な作業はありますか?

 今でも服は好きなので、制服を描くのは楽しいです。やっぱり可愛い絵を描いている時は楽しくて、雑誌とかを見て流行りの服を描くのも好きです。 一番苦しむのはプロットやネームですが、いい話を思いついた時はすごくうれしいですね!  
チェックのリボンとソデが可愛い! オシャレなワンピースタイプの制服 「人間回収車」2巻より

――まんが家になって辛かったこと、うれしかったこととを教えてください。

 一番つらかったのは、デビューしたての頃に、コンペに出しても出しても落ちてしまった時ですね…。恋愛系は全然ダメでした。一番うれしかったのは「人間回収車」をYouTubeでアニメ化してもらったことです!

――今後描いてみたいお話があれば教えてください!

 ホラーももちろん描きたいですけど、ホラー以外も挑戦してみたい気持ちもあります。元気いっぱいの女の子が活躍するお話とか描いてみたいです。主人公のキャラが濃い感じの!

――最後にちゃおっ娘にメッセージをお願いします!

 いつもまんがを読んでくださって、ありがとうございます。これからまだまだ、たくさんまんがを描き続けたいと思っているので、また読んでもらえたら嬉しいです!

――泉道先生、ありがとうございました! 今後の作品をお楽しみに!




戦慄の現代ホラー!『人間回収車』


▼あらすじ▼
どこからともなくやってくる黒ずくめの軽トラック… 一見粗大ゴミの回収車、でもその車の回収するものは不要になった人間だった! 恨み・妬み欲望のドラマに巻き込まれ、不要になった人間が今日も回収されていく…



ハイブリッド新感覚ホラー!『病棟少年』


▼あらすじ▼
「キミの一部をボクにちょうだい。お礼に願いを叶えてあげる。」 突如現れるツギハギの少年は究極の2択を突きつける。 究極の選択と叶えたい願い、そのとき人は何を決断するのか?恐怖と涙で話題騒然のハイブリッド新感覚ホラー!

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