「さくら前線」由紀ちゃんの言葉の真相。「純★愛センセーション」ファンタジックな恋愛漫画の視点。「エンジェル・ハント」本当のラスト。おおばやしみゆき先生インタビュー【第1弾】描き下ろしイラストも公開中!

さくら前線

©︎おおばやしみゆき(小学館)2006

おおばやしみゆき先生の大人気作「さくら前線」「純★愛センセーション」「エンジェル・ハント」について、連載中の思い出や今だからこそ明かされる秘話を聞きました。

ーーとにかく切ないラブストーリーで反響が大きかった、ChuChu(ちゅちゅ)2006年1月号~2007年12月号連載の大人気作「さくら前線」ですが、連載当時の思い出などありますか。

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
この時はとにかく忙しかったですね。「さくら前線」はChuChu(ちゅちゅ)で連載していたのですが、番外編をちゃおで描いていたり、ちゃおデラックスで読み切り作品「いっちゃえマリンちゃん」を描いていたり、月3本描かなければならないときもあって。
もともとファンタジー要素が強いお話が好きだったので、ただの学園ラブストーリーにするつもりはなく、想い人が亡くなってしまうというのは初めから決めていました。
「さくら前線」の序章部分は全然悲しいお話ではないんですよね。なので、読み進めてこんな切ない展開になるなんて!と驚かれた方もいるかもしれませんね。

「ChuChu」「いっちゃえマリン」

ーー「さくら前線」で思い入れのあるシーンやお話などはありますか?

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
浴衣のシーンですね。夏祭りのシーンは2回(第3巻、第6巻)あるんですけど、1回目の夏祭りのシーンは、実は通常より小さめの原稿で描いたんです。とにかく忙しくて通常の原稿で描く時間がなかったんです・・・。

夏祭りのシーン(その2)

©︎おおばやしみゆき(小学館)2007

夏祭りのシーン(その1)

©︎おおばやしみゆき(小学館)2007

あとは、番外編の「たんぽぽ前線」も思い出深いです。実は最初のネームは自分でも全然おもしろないと思うくらいのもので・・・そこから紆余曲折あり、あのお話になりました。

たんぽぽ前線

©︎おおばやしみゆき(小学館)2007

泣けるシーン。最終巻由紀ちゃんの「さくらの願いを叶えるよ。」言葉の真相

ーー最終巻はいつ読んでも、何度読んでも泣けますね。結城くんとのデート直前に由紀ちゃんの写真の前から動けなくなってしまう、さくら。そんななか、結城くんが事故にあったかもしれないと連絡が届き、さくらの背中を後押しするかのような由紀ちゃんの「さくらの願いを叶えるよ。」という言葉。あの言葉は天国の由紀ちゃんからだったのでしょうか?

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
由紀ちゃんは、生前もさくらの望みを叶えるために、武ちゃんと付き合ったほうがいいんじゃないかと思っていたりしましたよね。でも、両想いとわかった直後に亡くなってしまった。もうさくらは由紀ちゃんを想い続けても、ただただ辛いだけなんです。結城くんのことを好きになってしまったと認めた方がさくらの気持ちは前に進めるんです。だから、由紀ちゃんは「自分のことを忘れてもいいよ。」と。
ただ、それを考えているのはさくらなんです。由紀ちゃんだったら、そう言ってくれるんじゃないかという想像をしていたんですね。さくらは最初、ずっと由紀ちゃんを思い続けなければいけない。他の人を好きになってはいけないと思っていましたよね。でも、由紀ちゃんはそんなこと言わないよねって、そうじゃないよなってきっと気が付いたんです。
本物の由紀ちゃんがどう思っているのか、それは私にも分からないんです。

由紀ちゃんの言葉

©︎おおばやしみゆき(小学館)2008

「さくら前線」のコミックスカバーイラストの秘密。

『さくら前線』のコミックス

©︎おおばやしみゆき(小学館)

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
コミックスのカバーイラストはその巻に収録されているお話のシーンで描いていました。けど、6巻だけは違います。あんなシーンはないんですよ。あれは、2人の未来を描きました。きっとこうなっているだろうなって。
結城くんの表情が見えないのは、見せてしまうとあまりに漫画的になってしまうので見せませんでした。結城くんがどんな表情をしているのか、みなさんの想像に任せます。

「さくら前線」の番外編は「純★愛センセーション」のコミックス第2、4巻にも収録されており、その後のお話を少し知ることができるので、ぜひ読んでみてください。

純愛センセーション

スペシャル描き下ろしイラスト公開!ちゃおコミでの特集にあわせて素敵なイラストを描き下ろしていただきました!

『さくら前線』特別描き下ろしイラスト

©︎おおばやしみゆき(小学館)2022

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
私の今住んでいる所では”さくらまつり”というお祭りがあるんですが、そこで桜を見ていて、さくらたち3人がお花見とかしていたら楽しそうだろうなと思って描きました。3人がどんな会話をしているのか考えながら描きました。

ーーおおばやし先生にとって「さくら前線」はどういう作品ですか?

おおばやしみゆき先生

おおばやし先生:
「キャンディ♡キャンディ」(講談社)、「はいからさんが通る」(講談社)など、私が夢中になった作品って、途中で想い人が亡くなってしまうんですよね。だったら私も一度描かねば!と思い、描いた作品です。

インタビュー第2弾、いかがでしたか?
由紀ちゃんの「さくらの願いを叶えるよ。」という言葉の真相を胸に、ぜひ全6巻イッキ読みしちゃってください!作品購入リンクは下部にあります。
第2弾は、おおばやし先生が漫画家を目指した理由やルーツについて、そして人気作「純★愛センセーション」について紹介します。

おおばやしみゆき先生インタビュー第2弾はこちらから

おおばやしみゆき先生インタビュー第3弾はこちらから


さくら前線

「さくら前線」


▼あらすじ▼

さくらは、顔良し!頭良し!スポーツ万能!な幼なじみ・武彦のことが好き…でした。が、近ごろ、同じクラスでケンカ友達の“ちびっこ男子”由紀のことが気になるように…。でも当の由紀は、さくらがずっと武彦のことを好きだと思いこんでいて、さくらの恋の後押しなんてしてくれちゃう。しかもそんなとき、実は武彦がさくらを好きだということがわかり…!?



 

おおばやしみゆき先生

9月4日生まれのおとめ座。血液型はB型。大阪府出身。

デビュー作は「ミラクルミステリートイレットへようこそ」(1993年ちゃおデラックス秋の号に掲載)

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