映画『かがみの孤城』の公開を記念して夢のような対談が実現!
中学生のリアルな感情に共感が止まらない。
『かがみの孤城』の辻村深月先生と『大人はわかってくれない。』のまいた菜穂先生が対談。
まいた先生:
はじめまして。私は辻村先生の作品の大ファンなので、この対談をとても楽しみにしていました。
辻村先生:
ありがとうございます。どうして私の小説を読んでくださるようになったんですか?
まいた先生:
私はずっと、まんがばかりを読んできました。あるとき、まんがを描くにはまんがだけではなく、本も読まないといけないなと思い、手に取ったのが辻村先生のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』でした。
辻村先生:
わあ、うれしい!その本は、私が高校生の頃に書いていた小説がもとになっているんです。ルーズリーフに書いたものを友だちに読んでもらっていました。
まいた先生:
とても読みやすくておもしろかったです。そして次に、映画化もされた『ツナグ』を読みましたが、あまりに感動して…生まれて初めて小説を読んで泣きました。それ以来、新刊が出るたびに発売日に買って読んでいます。
辻村先生:
ありがとうございます。今回、私の代表作の一つ『かがみの孤城』がアニメ映画化されるので、そちらも楽しんでいただけたらうれしいです。
まいた先生:
私は『かがみの孤城』の原作が好きなので、どんなふうにアニメになるのかとても楽しみです。
辻村先生:
原作を読んでくださった人にも、かならず満足していただける作品になったと思っています。私自身も、とても楽しめました。まいた先生は『かがみの孤城』のどんなところが好きですか?
まいた先生:
「その気持ち、わかる。」と登場人物に共感する場面が多いところです。私は中学1年生の主人公こころちゃんの目線で読んでいたんですが、不思議なお城に集められた7人の中学生のそれぞれに共感できるポイントがあると思います。読む人によって、好きなキャラクターも変わりそうだなと思うので、ぜひちゃおっ娘のみんなにも読んで好きなキャラを見つけてほしいです。
辻村先生は、どのキャラクターに思い入れがありますか?
辻村先生:
こころを主人公に書きましたが、書き終えてから「ほかのキャラクターが主人公であってもおかしくなかった」と思うようになりました。物語の中の1年間という時間で、7人それぞれが私の思っていた以上に成長してくれた気がして。だからメインキャラクターの女の子3人、男の子4人には、全員に思い入れがあります。
まいた先生:
それぞれが「こういう子、クラスにいるかも」と思えるリアルな言動で、最後にはみんなが愛しくてたまらないキャラクターになりました。とくにリオンくん。名前だけでもかっこいいのに、ポツポツしゃべるセリフもかっこよくて。脳内で最高のイケメンにして読んでいました(笑)。
辻村先生がキャラクターを考えるときにモデルはいるんですか?
辻村先生:
特定のモデルはいないですね。かっこいい男の子を書くときは、女の子がどういう男子にそばにいてほしいか、ということを意識したりしながら書いています。
まいた先生:
キャラクターはもちろん、少し不思議なテイストのストーリーも大好きです。初めて読んだときは謎が少しずつ解けていく展開にワクワクして、2回目に読んだときは、謎解きのヒントになるようなセリフがあちこちに散りばめてあったことに驚きました。そしてクライマックスの盛り上がりが、本当にすごかったです…!
辻村先生:
クライマックスの場面は、私も書く手が止まりませんでした。朝、パソコンの前に座って、気がついたら夕方で。お腹が空いていたけど、そういうときはすごく幸せなんです。
まいた先生:
だから、私たち読者も一気に読んでしまうんですね。もしも私が子どもの頃の自分に本を届けられるなら、絶対に『かがみの孤城』を選びます。
ちゃおっ娘のみんなにも、ぜひ読んでほしいです!
まいた先生も激推しする、辻村深月先生の最高傑作!
かがみの孤城
著・辻村深月
ポプラ社
ハードカバー版 1,800円+税
文庫版(上下巻)各780円+税
児童文庫・キミノベル版(上下巻)各730円+税
【あらすじ】
あなたを、助けたい。
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた中学1年生のこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこには、こころと似た境遇の7人が集められていた——。
なぜこの7人が、なぜこの場所に? すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる……!
映画『かがみの孤城』大ヒット公開中!
すべての謎が明かされたとき、想像を超える奇跡が待ち受ける——
(C) 2022「かがみの孤城」制作委員会
辻村先生のおすすめコメント
文字だけの小説世界から、映像と音があふれるアニメーションの世界へ。
試写を観て「ああ、お城はこういう場所だったんだ!」と感激しました。
自分の頭の中にしかなかった世界を、原監督をはじめとするスタッフの皆さんにたどり直してもらえたような気持ちです。
現実の世界と孤城の世界、その二つの世界のどちらにも、あこがれや共感できるポイントが描き込まれているので、
そうした部分にも注目してもらえるとうれしいです!
原作:辻村深月『かがみの孤城』(ポプラ社)
監督:原 恵一
主題歌:優里「メリーゴーランド」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
PART 2 につづく!
★辻村深月先生
2月29日生まれの魚座。山梨県出身。2004年『冷たい校舎の時は止まる』でメフィスト賞を受賞してデビュー。
2012年『鍵のない夢を見る』で直木三十五賞を受賞。
2018年には『かがみの孤城』で本屋大賞1位に。
幅広い読者から支持される大人気の小説家。
★まいた菜穂先生
3月2日生まれの魚座。広島県出身。
2004年『スカジャン☆ジャンキー』が第55回小学館新人コミック大賞佳作を受賞。
2005年「ちゃおDX」に掲載されデビュー。
代表作に『12歳。』シリーズ。
現在「ちゃお」で『大人はわかってくれない。』を大ヒット連載中。