八神千歳先生(やがみちとせ)先生デビュー20周年インタビュー

数々のイケメンキャラでちゃおっ娘をとりこにしている八神千歳先生。ちゃおコミで公開している作品を中心に、イケメンキャラや作品のウラ話をたっぷり教えてもらったよ♥

まんが家人生を変えたパーフェクトイケメン爆誕!!

『まんがみたいな恋したいっ!』


―――デビュー20周年おめでとうございます! この作品のヒーロー・沖田くんは、八神イケメンの原点だと思うのですが?

八神:ありがとうございます。そうですね、沖田智哉は私の中で転機になった男の子です。
デビュー直後は、女の子中心のかわいいお話を描いていたのですが、担当さんが「八神さんは男の子がカッコいいから、男の子を推そう」と方向転換しまして。
私はもともと少年まんがが好きで、男の子を描くのも好き。
描いてみたら読者さんにも好評で、沖田くんのおかげで自分のまんがの世界観ができあがりました。
オッキー、20年後まで道を作ってくれてありがとう!(笑)。


―――沖田くんはカッコよくて、女の子の理想が全部つまった完ぺきな男の子です!


八神:『まん恋』の主人公はまんが家で、恋愛が初めて…っていう女の子。それなら「相手は恋愛にくわしくて、リードしてくれる男の子のほうがお話が展開するよね?」という感じで、沖田くんはパーフェクト系イケメンになりました。
「沖田智哉」の漢字も気に入っていて。自分で名前をつけたのに「かっけー!! 」って自画自賛してました(笑)。

イケメン5倍増量でキュンキュン∞♥♥

『キス・キス』


―――『キス・キス』では、学園のイケメン5人組「KISS」が活やくします。

八神:もしかするとこの作品で「ちゃおの中でイケメンがいっぱい出てくるまんがは、ヤガミン!」ってイメージがついたかも。
でも、男の子5人は、けっこう悩んで描いてました。
メインキャラがたくさんいるお話は初めてで「キャラ分け」の意味がわかっていなかった…。




―――「キャラ分け」ってなんですか?

八神:お話の中で事件が起きたとき、それぞれの個性を出して行動させられる…っていうのが、キャラクターをの性格を分ける=「キャラ分け」ってことなんですけど。KISSの5人は、見た目や設定は違うんだけど、行動パターンが結局似てしまったりして…。そこは苦労しました。でも、描いててすごく楽しかったですね。

―――5人の中では誰が人気だったのですか?

八神:圧倒的にヒーローの拓夢! 拓夢は片耳に十字架のアクセをしてるんですけど、当時ファンレターで「拓夢のです~!」って、十字架のイヤリングが片方だけ、ちゃおっ娘からたくさん送られてきて。うちに片方だけの「拓夢イヤリング」がたまりました(笑)。 それと、拓夢は私のまんがではめずらしく、主人公の奈緒より年上なんです。拓夢が奈緒に「俺はお前のこと、よくわかってるよ」的に、ちょっと年上感を出ているのも、見どころかも。

彼女至上主義!! 甘すぎ注意の溺愛イケメン☆
『ラブぱに』

―――『ラブぱに』はどう生まれたシリーズなのですか?

八神:そのころれんさいしていた『ボクのプラチナレディー』の溺愛展開が読者に好評で、その空気間で新しいよみきりを…と考えたのが『ラブぱに』。

「久しぶりに相手の男の子は芸能人がいいよね」と、秀徳が先にできて。
もえちゃんは、よく描いていた元気系の女の子と違うタイプにしよう…と、おしとやか系に。



こういうバランスなので、秀徳のほうからの好き好きオーラがすごいんですが、ちゃおっ娘から「ひゃっほう♥」って反応があって(笑)。シリーズになりました。

―――ここまで全面的に溺愛する男の子は、八神ワールドで秀徳が最初だったのでは?

八神:そうかもしれない。主人公から相手にグイグイ行くよりも、相手→主人公に120%の愛でガツガツくるほうが、自分は描きやすいんだな~とわかりました。秀徳はけっこう「もえ以外はどうでもいい」っていうキャラでもあるんです(笑)。1話の最初から、「もえ♥♥♥」ってなっているのに、もえの友達の美咲ちゃんには「あ、そこにいたの」って態度だったりして(笑)。でも「それでもいい♥」って読者に受け入れられたのはすごいな~と。溺愛男子を描く勉強になったというか、「ここまでやってもいいんだ!」という濃いキャラのつくり方は、秀徳でつかめた気がしています!

コミックス累計140万部突破! 伝説のイケメン王国誕生!!

『オレ様キングダム』

―――クールだけど隠れ肉食系の黒澤くん、やさしくてヘタレな白馬くん、かわいいけど毒舌な輝っち、ドS作家の一色先生…
などなど、個性的なイケメンが『オレキン』にはたくさん登場します♥

八神:『キス・キス』のとき悩んだ「キャラ分け」ができるようになったのが『オレキン』かなと。
メインの男の子3人は、最初のほうはやっぱり、見た目以外あんまり差がないんですけど。



谷口さんっていうおもしろキャラを出したときに、「黒澤は抱きつかれて白目」とか、「輝っちは雑に扱う」とか、それぞれのキャラで反応が全然違っていって。
そうやって、だんだんみんなキャラが立っていきましたね。

―――一番人気は、やっぱり黒澤くん?

八神:そうですね! 黒澤、ちゃおっ娘たちの初恋を奪った罪な男(笑)。
でも黒澤は、クールだけど主人公とイイ感じになるとデレる…っていう、少女まんがでは王道のタイプだと思うんです。
意外だったのは、輝っち人気。3人男の子がいると、かわいい系ってそんなに注目される立ち位置じゃないんですよ、ふつうは。
なのに輝っちは、人気投票で2位! 主人公の のの に対して「ポンコツ」とかひどいこと言ってるのに、なんで?と(笑)。猫耳で、制服のタイも女の子と同じリボンで、見た目のデザインも「どうかな…?」と探り探りで始めたのですが、それも好評で。
「ちゃおっ娘はこういう男の子も好きなんだ~!」という発見がありました。輝っち、まさかお前がウケるとは!(笑)。

―――『オレキン』は全12巻で一度完結したあと、今『オレ様キングダムDX』として復活れんさい中のロングラン作品です。八神先生の中で『オレキン』はどういう存在ですか?

八神:ようやく、作品の名前が作者の名前より先に来る作品ができたかな…と。
『オレキン』以前は、「八神作品」とまとめられることが多かったのですが、最近は「『オレキン』描いてる人、誰だっけ?」「八神さん!」みたいに、作品のほうが認知されている感じで。
私の代表作になったかなと思います。

コミックス累計140万部突破! 伝説のイケメン王国誕生!!

『恋するメゾン』

―――『恋メゾ』は、八神先生のお気に入り作品とか。

八神:個性あふれる子たちが、家族じゃないんだけど、みんなでひとつ屋根の下に集まって、わちゃわちゃすごす…っていうのを描くのがとても楽しかったんです。
大好きなペンギンもいて♥主人公の鈴芽ちゃんは、この中ではお母さんっぽい立ち位置。家事とかいろいろやるんだけど、他の子は全然手伝ってくれないっていう(笑)。



―――その中で、ヒーローのタカくんだけは鈴芽ちゃんを手伝ってくれました!

八神:タカはいい子ですよね~。部活の弓道が好きで、弓道のことはくわしいんだけど、恋愛のことになると一気にピタッと止まっちゃうんですよね(笑)。
でも、中学生の男の子で部活に一生懸命だったら、女子にはあんまり興味ないっていうほうがふつうかな? と思って。

―――タカはおだやかで、リアルにいそうな雰囲気がある男の子ですよね。鈴芽ちゃんとの恋もゆっくり進んで…。

八神:そう、タカと鈴芽が2人のシーンになると、空気が変わっちゃう。ゆっくりになっちゃう(笑)。お話を進めるために、「タカがんばれ!」って応援しながらネームを描いたりしていましたね(笑)。メインの2人がゆったりなぶん、他の住人はまんがっぽい、ハデなキャラにしました。

ヤガミンイケメンの進化は止まらない!!
『溺愛ロワイヤル』&

『少女マンガのヒーローになりたいのにヒロイン扱いされる俺。』

―――ちゃお本誌でれんさい中の『溺ロワ』は、魔族のお姫様が3人のイケメンから求婚されるお話です。3人から同時に溺愛される…というシチュエーションは、これまた八神作品史上初では!?

八神:そうかも…? でも『溺ロワ』はどちらかというと、男の子の目線で描いています。
人狼の澪、鬼の琉二、吸血鬼の十夜それぞれの立場で「どうやってこの女の子を自分のものにするか?」と考えている感じで、主人公の一姫が「私、モテてどうしよう?」っていうことではないんですよね。



―――イケメン3人組が並んでいるコマは、画面がとてもはなやかでドキドキします♥

八神:『溺ロワ』の3人は、全員わかりやすいイケメンベースで描きつつ、それぞれの吸血鬼や人狼などの種族は意識しています。
澪はワンコの耳をつけるとかわいいし、十夜はなんとなく、吸血鬼って…私の中で色っぽいイメージなので、前髪の流れのペンタッチとかは、それを意識して。琉二は筋肉かな?

―――そしてなんと! さらにちゃおコミでも新れんさい『少女マンガのヒーローになりたいのにヒロイン扱いされる俺。』が始まります! びっくり展開連続のお話ですが…?

八神:ちゃおコミは「自由に描いていい」ってことだったので、ずっとやりたかった男の子が主人公のお話を。
ヒロインも今までとは違う、めちゃくちゃ強い子で、主人公の幼なじみの男の子もいて…って、私の中ですぐ話が固まりました。
「こういうの描きたい!」って担当さんに渡したら、「いいよ! おもしろいと思う。 ウケる(笑)」って言われ(笑)、描くことになりました。ちょっと少年まんがみたいなノリで描いています。

―――本誌の『溺ロワ』に、ちゃおデラックスの『オレキンDX』、さらにちゃおコミの新れんさいで、新しいジャンルに挑戦。ものすごいお仕事量ですが、八神先生のそのパワーは、いったいどこから出てくるのでしょうか!?

八神:え~…だって、やっぱりまんががうまくなりたいですもん。絵もお話も全部うまくなりたいし、もっと面白いまんがを描きたいんです!! 
これから『溺ロワ』『オレキンDX』『少女マンガのヒーローになりたいのにヒロイン扱いされる俺。』とヤガミン3本柱になりますが、みんなキャラが違いますけど、どれもいい子たちがそろっているので、みなさんよかったら好きになってください!!!

―――デビュー20周年を迎えてますますノリノリの八神作品、ぜひチェックしてください!!

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